管理会社や保険代理店の対応が悪い・・・
管理組合でかけているマンション総合保険の保険会社のコールセンターに電話して事情を伝えてみましょう。また、ご自身で加入されてる火災(家財)保険の担当者にも相談してみましょう。
水漏れ事故の被害にあった時は一度頭を整理してみることが大切!
これは実際に私にお電話があった実例で、相談者のMさんは実際に水漏れ事故の被害者になる方です。
マンションというのは共同住宅で多くの方が住んでいるため、上階で発生した水漏れが階下の部屋までつたっていき水濡れ損害になる事故というのは本当によくあります。
今回もそういったパターンです。
厳密にいうと今回は2事故だったのですが分かりやすくするために1事故ということで書かせていただきます。
今回は三階のお部屋の給水管から水漏れが発生し一階のMさんの部屋内に水漏れ被害が出たというケースです。なので、
- 加害者 → 三階の住民さん(個人所有の管から水漏れが起きているため)
- 被害者 → 一階住民であるMさん
通常、こういった水漏れ事故が起きた場合、下記のような流れで進めていくと思います。
- 被害者の方が管理会社に連絡
- 管理会社が事故現場を確認し業者を手配(業者選びは管理会社に任せなくても良い)
- 業者が来て水漏れの原因を調査する
- 原因を突き止め、その部分の修繕
- 水漏れから波及して出た損害(被害者宅にでた水濡れ損害)などを修復する
- 損害箇所の写真や修繕の見積書
- 見積額を保険会社が査定し認定額を保険金として支払う
上記にも書いていますが、このときに頼む業者さんについては管理会社が手配しても住民さんが手配しても問題ありません。
特に被害にあわれた方が管理会社に対して不安を持っている場合はご自身で頼むことになると思います。
実際、今回のMさんはご自身で頼まれたようで、水漏れの原因もご自身の被害箇所の修繕も1つの業者さんに頼み、この業者さんはMさんが信頼のできる業者さんになります。
今回の水漏れ事故の概要
今回の事故を時系列でお伝えします。
- ある日、天井から発生した水漏れに気づいたMさんが管理会社に連絡して今回の事故が発覚。
- 原因を調べると三階住民さん宅のキッチンの給水管から水漏れが起き、その水が階下のMさん宅へつたってMさん宅に水濡れ損害が発生。
- このときに依頼した業者(Mさんの知っている業者)から出てきた見積もりがおよそ80万円。この金額には原因調査費用と修繕(復旧)費用も込みとなっている金額で、この見積書を保険金請求書と一緒に出す。
- その後、管理会社より原因調査費用としては25万円しか認められなかったとの連絡が入る。
- また、補償内容も水漏れ原因調査費用特約に5万円の免責がついているから差し引き20万円の支払いだから口座情報を教えろと、あり得ない態度で言われる。
- この対応にどうしても納得のできないMさんは管理会社や代理店などに掛け合うも話を聞いてもらえず誰に相談して良いのか分からないなかで色々と検索して当社のホームページを見つけて問い合わせ。
今回の事故の概要はざっとこんな感じです。
では、これまでお伝えした今回の事故をもとに一度あなたも一緒に考えてみましょう。
何故、25万円しか認められなかったのか?
認定金額のことに触れる前に、まずは該当マンションが加入しているマンション総合保険の補償内容をお伝えします。
細かい補償内容は確認していませんが、今回の事故に必要になってくる下記の2点は付いていたようです。
- 水漏れ原因調査費用特約
- 個人賠償責任補償特約(包括用)
では今回、なぜ25万円という認定額になったのか?というと、見積書内の原因調査費用という項目がおよそ30万ほどだったからです。
その30万の内訳を見て、認めれる部分とそうでない部分を精査して結果的に25万円という認定額になり、ここに免責の5万円が差し引かれ20万円の支払いということになったのだと思います。
では、差額の55万円は何の金額になるのか?というと、修繕(復旧)費用になるわけです。この復旧費用は今回の被害者であるMさん宅の修繕にかかる費用のことです。
ここで整理をしてほしいのですが、この55万円というのは損害が出た部分を修繕するための費用であって、そもそも原因を調査する費用ではないということ。
よって、この部分については水濡れ原因調査費用補償特約では支払えないということになるわけです。
差額の55万円は誰が払うのか??
では、この差額の55万円は誰が?(どこが?)払うことになると思いますか??
もう一度、今回の事故が起きた原因を思い出してみましょう。水漏れを起こした原因はどこでしたか??
そうです。”三階の住民さん”でしたね。
ということは、今回の修繕(復旧)費用は、加害者である三階の住民さんに支払う義務があるわけです。そして、三階の住民さんが支払う方法というのは主に下記の3つ。
- ご自身で現金で支払う。
- ご自身で加入している個人賠償責任保険で支払う(自動車保険か専有部分の火災保険に特約で付帯可能)。
- マンション管理組合で加入しているマンション保険の個人賠償(包括用)で支払う。※個人賠償がついていなければ論外。
そして、今回のマンションについては三階住民さんが現金でも支払えない、ご自身でも個人賠償に入っていないため、マンション保険の個人賠償で対応するということになったようです。
ということは、もうお分かりですね?
80万のうちの水濡れ原因調査費用以外の55万円はマンション保険の個人賠償で支払うことになるのです。
今回は原因調査費用として依頼した見積書に復旧費用の55万円が入っていたため、ごちゃごちゃになってしまったのでしょう。
この一件から学ぶ教訓とは??
今回の事故は結果的に、業者さんが出した金額は概ね支払えると思います。
事故の担当者の認定の仕方による部分もありますが、これまでお伝えしてきたように内容としては問題なさそうです。
今回のポイントは、保険会社としては支払える項目が異なるため、水漏れの原因を調査するための費用を記載した見積書と、損害の出た部分(Mさん宅)を修繕(復旧)するための費用が記載された見積書を分ければ良かったということです。
そうすれば、保険会社の査定も分かりやすかったでしょうし、支払いへもスムーズに移れたのだと思います。何も問題のある事故ではありません。
管理会社のフロントマンや保険代理店の対応が悪い場合はどうしたら良いのか?
今回の事故は普通に支払いの対象になる事故なのできちんとした流れで事が進めば支払いに関してもさほどむずかしい話ではありません。
ですが今回、Mさんが困っていたのはフロントマンの対応にあったわけです。
結果的に支払える事故であってもマンションを管理しているフロントマンの対応が悪いとなかなか進まないケースというのはよく耳にします。
では、こういった場合はどうすれば良いのでしょうか?
保険会社のコールセンターに事情を直接伝える
対応の悪さに困っているなら、マンション保険の保険会社コールセンターに直接電話をして事情を伝えてみましょう。
保険会社は支払える事故に関して時間をかけることは基本的にしないので、支払える事故で支払いが遅れることはありません。
支払いが遅れる場合は大抵、そこに関係する保険代理店や管理会社のフロントマンの対応によるものが多いです。
なので、こういった場合は保険会社のコールセンターに事情を伝えると色々と解決策などを考えてくれる場合もあります。
ご自身で加入している火災保険の担当者に相談する
通常、マンションの共用部にはマンション管理組合が、ご自身で所有されている専有部(部屋内)には所有者である住民さんが火災保険をかけていると思います。
今回のようなケースの場合は管理組合で加入しているマンション保険で対応可能ですが、フロントマンの対応などが悪いと支払いまでに時間がかかってしまい被害者からすればいつまでたっても自分の部屋の修繕が進まない・・・という状況になります。
こんな時はご自身が加入している火災保険の担当者に相談するのも1つです。
そして、一旦、ご自身の火災保険で立替払いをしてもらうと、その保険会社が本来支払うべき加害者に求償してくれるわけです。そうなると、あなた自身の手から事故が離れるので気持ち的にも非常に楽になりますね。
最後に
今回のMさんも上記の2つのことを実際にされ、管理組合の入っている保険会社とMさんの入っている保険会社と連携して進めていくという話になったようです。
本当にありがとうございました。と丁寧にお礼のメールがありました。なんか非常に嬉しかったです。以下がメールの内容になります。
昨日は突然の電話にもかかわらずご親切に対応して頂きありがとうございました!
今日○○○○(←保険会社名)のコールセンターに電話して事態が好転しました。
損害保険金をそんなに時間が経って支払われない事や詳細が出せないなどは無いそうです。
私の加入していた損保ジャパンと連携して被害や2事故であった事など含めて調査し、損保ジャパンから連絡するようにしたいとの事でした。
やはり私と直接のやり取りはルールに反するそうだからです。
管理会社や代理店との事も理解して頂けたのでよかったです。
本当に感謝しきれません。
ありがとうございました。
昨日、電話をいただいたときは非常に困っておられ、本当にどうして良いのか分からない・・・と言われてたので、良い方向に行きそうで本当に良かったです。
今回の一件もそうですが、マンション住民さんのなかには同じようなことで悩んでいる方も相当いるんじゃないかなって思います。
同じような被害が今後ないことを願うばかりですが、もしお困りの際には気軽にご連絡ください。私で良ければいつでも相談に乗りますので。
お気軽にご相談ください!
- 携帯 : 080-9108-5454
- PCメール : kozuma@ecrew.jp
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