マンション総合保険で最も重要な特約は水濡れ原因調査費用特約

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『水濡れ原因調査費用補償特約』はマンション総合保険で最も重要な特約!

マンション総合保険についている特約の中で最も重要な特約が『水濡れ原因調査費用補償特約』になります。

 

マンション総合保険に加入している管理組合様でこの特約を付けていないケースはほぼないと思われますが、今回は何故、この『水濡れ原因調査費用補償特約』が必要なのか??ということについて実際の事例を踏まえてご紹介したいと思います。

 

 

 

 

保険事故で最も多いのが水濡れ事故(漏水事故)!

火災保険の値上げの記事でもその背景として支払い保険金の増加ということを書いていますが、やはり経年劣化による水濡れ損害が年々増えている状況にあります。

 

 


 参考! >>火災保険料が値上げ!2019年の秋から遅くても2020年には確実!

 

実際に私のお客様でもそうですし多くの管理組合様の話を聞くと水漏れ事故は非常に多いです。

 

水漏れ事故が起きた場合、その原因が特定できているケースであれば加害者、被害者で解決できる話ですが、仮に水漏れの原因が特定できない場合は非常に困ります。

 

まずは、どこから水漏れが発生しているのか・・・ということを特定させることが求められます。

 

そして、当然、業者さんに依頼する必要があるのですが、場合によっては原因調査に非常にお金がかかるケースもあります。

 

そんなときに、マンション総合保険で対応できるのと対応できないのではその後の結果に大きな差が生じることになります。

 

原因調査にかかる費用は場合によっては結構な金額になることも!?

原因調査費用というのは場合によっては非常に高額になるケースもあります。

 

原因の特定がさほど難しくなければ日数にしても費用にしてもそこまでかかることもありませんが、原因の特定がむずかしく日程を要するケースでは日数に応じて業者にかかる費用は必然的に高くなります。

 

水濡れ原因調査費用がかかってしまった事例

実際に水濡れ原因調査費用が高額になった事例をご紹介します。

 

実際の事故事例

ある日、303号室のAさん宅の脱衣所とトイレの天井から水漏れが発生。すぐに管理組合に連絡して業者を手配。無事に修復は完了したものの、原因の特定がむずかしく調査日数と費用がかかってしまった。

 

水漏れ事故については全国的に見ても一番多い事故で、このような経験をされている管理組合様も多いかと思います。

 

ただ、今回の事故で非常に困ったのが、原因の特定がむずかしく日数と費用が重なったしまったということなんです。

 

 

上記の写真について時系列で見てみるとこのような感じです。

 

  1. ある日、Aさん宅の脱衣所とトイレの天井から水漏れが発生。
  2.  

  3. 業者に依頼をして1階上の403号室の壁をくり抜き中の管を確認するも水漏れの形跡なし。
  4.  

  5. 更に1階上の503号室の壁を403号室同様にくり抜き確認したところ排水管からの漏水を発見。
  6.  

  7. 念の為、更に1階上の603号室も同様に確認を行い、漏水していないことを確認。
  8.  

  9. 漏水箇所の修復と水漏れの原因調査のために手を加えた天井や壁をもとに戻すための修復作業を行いすべて完了。

 

今回の事故は、予想している箇所よりも更に上の排水管から漏水しており、原因調査のために手を加えた箇所も多いこと。

 

更には念のための確認作業として603号室の排水管もチェックしています。

 

こうしたことから4世帯の住民さんの協力も必要で日数も非常にかかりましたし費用面でもかかりました。

 

請求額(見積もり金額) 828,360円
支払額 778,572円
差額 -49,788円

 


 

見積もり金額より49,788円のマイナスではありましたが、ほぼ今回の水漏れの原因調査にかかった費用はマンション総合保険の『水濡れ原因調査費用補償特約』から支払われたということになります。

 

結果的に管理組合様からも非常に喜ばれました。

 

水濡れ原因調査費用補償特約は元に戻すまでにかかった費用を補償する特約!

今回お伝えした支払額は原因調査のために解体した部分だけでなく、解体した部分を元に戻す(修復)までの費用も含まれます。

 

各社のパンフレットには、

 

マンション共用部分において水濡れ事故が発生した場合に、その原因調査に要する必要かつ有益な費用を補償します。

 

と書いてあります。

 

これは手を加えた部分を元に戻すまでの費用のことを指し、今回のケースでも解体した部分を元の状態に戻すまでの費用を『水濡れ原因調査費用補償特約』で支払っています。

 

もちろん、過度なもの(必要ないところまで解体している場合などに)に対しては認定されませんが、水漏れの原因を調査するために必要だと思われる範囲内であれば元に戻すまでの費用を補償するということを覚えておくと良いでしょう。

 

水濡れ原因調査費用補償特約の確認をしておくこと!

今回、ご紹介したように現在、全国的に水漏れ(漏水)事故は非常に多いです。

 

また、マンションのような集合住宅の場合、住民さん同士のコミュニティは非常に大切なことで、こうした事故が起きた時に管理組合としても素早く対応できることが求められます。

 

事故の際、後手後手にならぬようしっかりと対応できる補償内容になっているのか??もう一度確認しておきましょう。

 

普段から管理会社任せにするのではなく、自分たちの資産だという意識を持ち、その資産(マンション)を自分たちで守っていく(運営していく)!という意識を持つこと今後はすごく大切になってくると思います。

 

今後、管理組合に求められるものとは?

これは、保険会社から選ばれるマンションになっていかなければいけないということです。

 

何故かというと、保険金を支払う立場からすれば支払額の大小はそのままマンションの評価につながるからです。

 

当たり前の話ですが、事故の多いマンションよりも事故の少ないマンションを引き受けたいと思うのは保険会社としては当たり前なんです。現に事故の多いマンションの引受を制限するという事態も起こっています。

 

ですから、事故があれば保険で対応するから大丈夫!というふうに考えるのではなく、いかに保険事故を減らしていけるか??ということが非常に重要なポイントとなってきます。

 

マンション総合保険に加入できない・・・と、ならないためにも是非とも保険会社に選ばれる管理組合(マンション)になってほしいと思います。

 

そのためには”事故を減らす努力”、そして、そのように”考える意識”が今後はますます必要になるでしょう。

 

今後、管理組合に必要な考え方については下記の記事で書いていますので併せて参考にされてみてください。

 


 チェック! マンション総合保険の引受は今後、ますます厳しくなってくる!?

 

まとめ

今回お話したように、マンションの保険事故で最も多いものが”水漏れ(漏水)事故”です。

 

水漏れ事故が起きた場合、原因を特定し修復することが必要になり、そのためにかかる費用を補償できる特約として今回ご紹介した『水濡れ原因調査費用補償特約』が非常に重要になります。

 

管理組合としてマンション内で起きた事故に素早く対応するためにもすべてを管理会社任せにするのではなく、自分たちの資産は自分たちで守るという意識を持つことが今後、ますます必要になります。

 

また、そういう意識を持つことでマンション運営もよくなり事故の少ないマンションへと成長していくはずです。

 

是非とも保険会社から選ばれるマンションになってください。

お気軽にご相談ください!


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